【フィリピニスト 山田麻樹 #4】フィリピンで起業してから軌道に乗せるまで

フィリピニストとは、フィリピンで“新しい場所・人・自分”に出会った方々のこと。
このコーナーでは、自分らしくオリジナルの人生を歩んでいらっしゃるフィリピニストをご紹介します。

フィリピニスト001 山田麻樹(やまだまき)

1985年生まれ。熊本県出身。立命館アジア太平洋大学卒。
大学時代にボランティアで行ったフィリピンで、”何もないところに幸せを生み出せる”フィリピン人に感銘を受け、また、フェアトレードの考え方を知り、将来はフィリピンと日本をつなぎ、「フェアトレードをビジネスとして成功させる」という目標を持つ。卒業後、商社の貿易部門で働いた後、青年海外協力隊でフィリピンへ。
2012年10月帰国後「オーガニック×無添加×フェアトレード」にこだわったフェアトレードブランドGirls, be Ambitiousを設立。

前回は、フェアトレードビジネスに着目した経緯や、商品としてモリンガを選んだ理由について伺いました。今回は、フィリピンでの事業の立ち上げについて伺いたいと思います。

想いが先行して不安はなかった

ーフィリピンでの起業に不安はありませんでしたか?ー

(山田)スタート時は、想いが先行していたので、不安はありませんでした。

その上、フィリピンに2年も住むと、「なんとかなる」精神が養われていたので、不安よりもワクワク感や「きっとできる!」という気持ちの方がとても強かったです。

事業を諦めそうになったとき

ーもうだめかもしれない、と諦めたことはありませんでしたか?ー

(山田)もちろんあります!

お恥ずかしい話ですが、事業計画をきちんと立てずに起業してしまったので、予想以上にお金がかかったり、売り上げを上げるのに時間がかかったりで、起業した後に起業の大変さを知りました。

また、本当に諦めかけた事は一回だけありました。

数年経営してきた時に、経営、営業、財務、生産管理などすべてのマネジメントを全部、自分一人で見ていたので、売り上げをしっかり伸ばせる時期に、うまく伸ばせない時期が続いてしまいました。

その結果、利益がしっかり残せない状態に陥った時、経営し続ける自信がなくなってしまい、このままこの事業モデルを別の人に譲渡しようかと思った事がありました。

でも、ある経営者の方に、「Girls, be Ambitiousの事業モデルは、山田さんじゃないと成り立たないモデルだし、譲渡するにも、山田さんなしでの譲渡は価値がない」と言っていただいて・・・

最終的には、私が営業や生産管理など本当に私にしかできない事に集中できる組織作りを行う事で、状態は改善する事ができました。

今はまたワクワク感と良い責任感を持って経営できています。

フィリピン人スタッフとの付き合い方

ーフィリピンのスタッフやビジネスパートナーとの付き合い方で秘訣にしていることもあれば教えてくださいー

(山田)もちろん、どれだけ私がフィリピンの文化やフィリピン人の人柄を知っていたとしても、やはり私は日本人で、考え方で異なることも多々あります。

それでも、フェアトレードという仕組みの中で、「生産者はお客様を喜ばせる品質の高い商品を作る→品質の高い商品だからお客様が継続して買ってくれる→継続して製品作りに取り組めて、生産者の生計向上につながる」

いう仕組みを継続させるには、考え方の違いを乗り越えて、同じ目標に向かって歩むしかありません。

そして、考え方の違いを超えるには、徹底的に話し合うしか、方法はないと思っています。

小さな事も曖昧にせず、感覚の違いがあるからこそ、どうして相手がそう思っているのかを話し合います。時には喧嘩のようになりますし、一日中、生産者のリーダーと、どうしてそう考えるのか?なぜ相手の考えを受け入れられないのか、チャットし続けることもあります。

それでも、さじを投げずに耐えて、相手が納得するまで、また私が納得するまで、互いの考え方のプロセスを共有して、同じ方向を向けるようにしています。

正直、フィリピンの生産者も、私も、よく耐えれるなと思います(笑)。

でもお互い、自分の人生をかけてモリンガやココナッツオイルの生産に関わっているので、投げ出すわけにはいかないんです。

誠実さが何よりも大切

ー海外でビジネスをする上で気をつけていることはありますかー

(山田)嘘をつかずに、誠実に話を進めていく事に限ると思います。

とてもシンプルな事ですが、意外と難しいです。とくにビジネスシーンにおいては、自分や会社をよく見せようとしがちです。しかし、海外という異文化では、その人の学力や経験、会社の実績より、その人の性格・本質が問われると思うんです。

例えば、私が起業したての25歳のころ、まったく人脈もビジネス経験もない中、フィリピン農業省の幹部にお会いでき、親身に私の目指す”フェアトレード”を一緒に目指してくれる生産団体を調べてくれたことがありました。

他にも、人脈をもっている友人たちが、困った時には必要な情報をもっている人を紹介してくれて、助かったりしたことが、何度となくありました。

そんな経験が今までたくさんあるので、誠実に、自分は何をしたいのか、何を目指しているのかを、きちんと伝えられることが、海外でのビジネスでは重要なのだと思います。

日本とフィリピンを繋げていきたい

ー今後はどんなことをやっていきたいと思いますかー

(山田)自分やGirls, be Ambitiousがフェアにフィリピンとつながるだけではなく、もっと日本人や日本企業にフィリピンとフェアに繋がれるサポートをしていきたいと思っています。

今年の9月に会社の事業部を編成し、フェアトレード商品を販売する商品事業部に加えて、ツアー事業部、コンサル事業部を立ち上げました。

この3つの事業部を通して、いろんな方面から、日本とフィリピンを繋げていきたいと思っています。

ー最後に、山田さんの思う、フィリピンの魅力とは?ー

(山田)「魅力はいっぱいあるのですが、やはり一番は”心の豊かさ”人の”優しさ”だと思います。

フィリピンでは、荷物を持っている人がいたら、みんなで持ち合いますし、ぶつかったらちゃんとごめんねって言います。

周りに対しての心遣いがとても暖かく、優しくって、人としてとても素晴らしいなと。そしていつも、見習いたいと思っています。

あともう一つは、オーガニックのコスメ素材・食品が豊富なこと。

オーガニックマーケットやショップもマニラにはとっても多くて、安心・安全な商品が手軽に買うことができます。日本では贅沢な素材もオーガニックグレードで手頃に手に入り、ナチュラルライフを無理なくできることも、とても大きな魅力です。

だからこそ、この魅力をGirls, be Ambitiousの商品を通して日本の皆さんにお伝えしたいと思っています。

(おわり)

フィリピニストへの質問

フィリピンのおすすめスポット
バンタヤン島:のんびり命を洗濯ができる場所です。
好きな週末の過ごし方
緑の見えるカフェで、ゆっくり新しい計画や今までの振り返りをして、頭をリセットすること。
バッグに必ず入っているもの
携帯、ノート(A5サイズの方眼紙)、財布
好きな言葉
Where there is a will there is a way. 
今の仕事をしておいてよかったと思う時
”フィリピンってそんな国なんですね!””モリンガ・ココナッツオイルってそんなにすごいんですね”と皆さんに新しい発見を提供できた時、嬉しいなって思います。
フィリピンの好きな食べ物
ピナクベット(夏野菜と豚肉の炒め物)
おすすめのお土産
ポルボロン(フィリピン風のらくがん)
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<第4話へつづく>
この記事を書いた人

小野里 寛子(おのざと ひろこ)

2012年、英語ゼロからフィリピン留学に挑戦して英語コンプレックスを克服。セブ島に1年半滞在しながら、世界の語学学校を視察し、フィリピン留学の実力を確信。留学をきっかけに人生を切り拓いた感動を元に、留学エージェント イングリッシュバードを設立。世界へ羽ばたく力が付けられるフィリピン留学の魅力や可能性を多くの方に知っていただけるように活動しています。   Instagram      English Bird        “女性目線”のセブ&マルタ留学情報